2022.05.31 卒業生・修了生メッセージ 中田 保枝 さん 心理・福祉学部 心理学科卒業 心理・福祉学部 心理学科卒業 子どもたちの未来を信じるから 「できるよ」と、心から言ってあげたい。 子どもが信頼できる大人に 私が相談員として勤務する「さわやか相談室」は、埼玉県の全公立中学校に設置されている、子どもたちが悩みを相談できる場です。登校はしているけれど教室には入りたくないという生徒が通ってきたり、悩みを抱えた生徒が休み時間に相談に訪れたりします。泣きながら相談室に飛び込んでくる子や、担任に連れられてくる子もいます。 友だちとの関係、勉強の悩み、将来への不安、親や家族への複雑な想い……。中学生はさまざまなストレスを抱えた年代である一方、自分の気持ちをなかなか他人に伝えられない年頃でもありますが、親にも話せないことを、全然知らないおばちゃんだからこそ話せることもある。もちろん、そのためには子どもに信頼されることが大前提です。だから、子どもたちに心を開いてもらえる大人になれるよう、毎日毎日、彼らの声を聞き続けています。 長く話した最後の最後に、ポロッと大事なことが出てくることもあります。まずは根気よく聴いてあげること。その後はカウンセラーにつないだり、先生たちと連携して環境を整えたりします。一人ひとりの子どもは性格も違えば生活環境も違うから、「こうすればよい」という唯一の正解はありません。難しいけれども、話したことでスッキリして教室に帰ったり、根気よく声をかけ続けたことで登校できるようになったりする生徒の姿を見るのは嬉しく、やりがいを感じます。 聖徳の仲間に背中を押されて 昔は子どもに興味がありませんでした。変わったのは、わが子を産んでから。子どもの成長過程を見ることが楽しいと、初めて知りました。娘と息子がある程度大きくなってからは、小学校の英語指導助手や塾の講師、学童保育でのアルバイトなど、子どもと接する仕事を複数経験。それらを通して、子どもたちを取り巻く環境の複雑さを実感したことで手助けしたいという気持ちが芽生え、徐々に大きくなっていったのです。 実は10~20代のころ、カウンセラーの仕事に憧れていましたが、心理職は自分には無理だと諦めていました。40代を迎え、今こそ目指す時ではないかと思いながらも2年ほど迷いましたが、ついに「今、やるしかない」と決断。通学に便利でスクーリングが充実している聖徳を選び、心理学を学び始めました。 絶対に2年で卒業しようと決めて臨んだのですが、子どもが信頼できる大人に発達心理学、人格心理学、臨床心理学など、すべて興味深いものの、難しくて挫折しそうに……。勉強がつらくなった時に助けになったのが、スクーリングで知り合った友だちです。 聖徳には日本全国から学びたい意欲のある人たちが集まっているので、とても刺激になりました。2~3日、勉強をさぼってしまった時、メールで「○○のレポート、終わったよ!」などと連絡が来ると、「私も頑張らなきゃ!」と気合いを入れ直したものです。そんなふうに仲間たちに背中を押されながら、計画通りに2年で卒業。認定心理士の資格も取得し、相談員の仕事に就くことができました。 ずっと学び、成長し続けたい 自分のことばかり話し続ける生徒は、聴いてくれる人がほしいのでは? 「触らないで!」と怒る生徒には、何かそうさせている要因があるのでは? 聖徳での学びのおかげで、生徒の話す言葉の奥に隠れている気持ちを想像できるようになり、今の仕事に役立っています。 もう一つ、とても役立っていると思うのが、「生涯発達」という考え方を知ったこと。その視点に立てば、人は成長し、変わることができるから、たとえ今どんなに苦しい状況にあるとしても、きっと抜け出せるというものです。私は子どもの未来を信じています。子ども自身にも、未来を信じてもらいたい。だから、心から「できるようになるよ、きっとよくなるよ」と言ってあげたい。 そしてこれは、自分に対する希望にもなっています。どんな年齢になっても、人は変われる、成長できる。何事にも遅すぎることはない。私はこれから、カウンセラーを目指すつもりです。そのために大学院へ進学し、公認心理師の資格にもチャレンジしたいと考えています。 一生涯学び続け、成長し続ける。聖徳でもらった希望を胸に、頑張ります!
子どもが信頼できる大人に
私が相談員として勤務する「さわやか相談室」は、埼玉県の全公立中学校に設置されている、子どもたちが悩みを相談できる場です。登校はしているけれど教室には入りたくないという生徒が通ってきたり、悩みを抱えた生徒が休み時間に相談に訪れたりします。泣きながら相談室に飛び込んでくる子や、担任に連れられてくる子もいます。
友だちとの関係、勉強の悩み、将来への不安、親や家族への複雑な想い……。中学生はさまざまなストレスを抱えた年代である一方、自分の気持ちをなかなか他人に伝えられない年頃でもありますが、親にも話せないことを、全然知らないおばちゃんだからこそ話せることもある。もちろん、そのためには子どもに信頼されることが大前提です。だから、子どもたちに心を開いてもらえる大人になれるよう、毎日毎日、彼らの声を聞き続けています。
長く話した最後の最後に、ポロッと大事なことが出てくることもあります。まずは根気よく聴いてあげること。その後はカウンセラーにつないだり、先生たちと連携して環境を整えたりします。一人ひとりの子どもは性格も違えば生活環境も違うから、「こうすればよい」という唯一の正解はありません。難しいけれども、話したことでスッキリして教室に帰ったり、根気よく声をかけ続けたことで登校できるようになったりする生徒の姿を見るのは嬉しく、やりがいを感じます。
聖徳の仲間に背中を押されて
昔は子どもに興味がありませんでした。変わったのは、わが子を産んでから。子どもの成長過程を見ることが楽しいと、初めて知りました。娘と息子がある程度大きくなってからは、小学校の英語指導助手や塾の講師、学童保育でのアルバイトなど、子どもと接する仕事を複数経験。それらを通して、子どもたちを取り巻く環境の複雑さを実感したことで手助けしたいという気持ちが芽生え、徐々に大きくなっていったのです。
実は10~20代のころ、カウンセラーの仕事に憧れていましたが、心理職は自分には無理だと諦めていました。40代を迎え、今こそ目指す時ではないかと思いながらも2年ほど迷いましたが、ついに「今、やるしかない」と決断。通学に便利でスクーリングが充実している聖徳を選び、心理学を学び始めました。
絶対に2年で卒業しようと決めて臨んだのですが、子どもが信頼できる大人に発達心理学、人格心理学、臨床心理学など、すべて興味深いものの、難しくて挫折しそうに……。勉強がつらくなった時に助けになったのが、スクーリングで知り合った友だちです。
聖徳には日本全国から学びたい意欲のある人たちが集まっているので、とても刺激になりました。2~3日、勉強をさぼってしまった時、メールで「○○のレポート、終わったよ!」などと連絡が来ると、「私も頑張らなきゃ!」と気合いを入れ直したものです。そんなふうに仲間たちに背中を押されながら、計画通りに2年で卒業。認定心理士の資格も取得し、相談員の仕事に就くことができました。
ずっと学び、成長し続けたい
自分のことばかり話し続ける生徒は、聴いてくれる人がほしいのでは? 「触らないで!」と怒る生徒には、何かそうさせている要因があるのでは? 聖徳での学びのおかげで、生徒の話す言葉の奥に隠れている気持ちを想像できるようになり、今の仕事に役立っています。
もう一つ、とても役立っていると思うのが、「生涯発達」という考え方を知ったこと。その視点に立てば、人は成長し、変わることができるから、たとえ今どんなに苦しい状況にあるとしても、きっと抜け出せるというものです。私は子どもの未来を信じています。子ども自身にも、未来を信じてもらいたい。だから、心から「できるようになるよ、きっとよくなるよ」と言ってあげたい。
そしてこれは、自分に対する希望にもなっています。どんな年齢になっても、人は変われる、成長できる。何事にも遅すぎることはない。私はこれから、カウンセラーを目指すつもりです。そのために大学院へ進学し、公認心理師の資格にもチャレンジしたいと考えています。
一生涯学び続け、成長し続ける。聖徳でもらった希望を胸に、頑張ります!