2022.05.26 卒業生・修了生メッセージ 佐藤 千佳夫 さん 児童学研究科 博士前期課程 [児童教育学]修了 児童学研究科 博士前期課程 [児童教育学]修了 新しい学びに必要なものは? 教育現場が直面している問題を解決する指針を提示したい。 「新しい学び」を実践するため大学院への進学を決意。 公立小学校の教諭として30年以上子どもたちの指導に携わり、学校研究主任や特別支援コーディネーター、教務主任など、学校づくりや学校運営に関する活動にも力を入れてきました。教員になった頃からの目標は、子どもたちが自主的・主体的に参加できる授業をすることです。学ぶことが楽しいと思える授業を提供したいと考え、日々研鑽を積んできました。 そうした中、新しい学習指導要領で「主体的・対話的で、深い学び」と提示され、正直「何をいまさら」と違和感を持ったのです。けれども、学習指導要領を深く調べてみると、今までの理論や実践だけでは子どもたちの力を育むことが難しく、新しい考え方と現場での実証が必要になると感じました。これまでの知識や実践の裏付けを得たいという思いもあり、大学院への進学を決意。通信制でありながら、多彩なアプローチで児童にかかわる問題を学修・研究できる聖徳大学大学院へ入学する道を選びました。 仲間や家族の支えのおかげで「2年で修了」の目標を実現。 「2年で修了する」と決め、入学後すぐに修了までの1日単位の予定表を作りました。地方在住なので、科目終了試験の会場まで2~3時間かかってしまうことも。効率よく仕事と学修・研究を両立するため、今何をしなければならないのかを常に見通すことを重視しました。 平日は勤務時間後の1~2時間や寝る前の時間が勉強時間。レポートは土日に集中して一気に書き上げるようにしていました。仕事の課題に直結した科目ばかりで、勉強は苦にはなりませんでしたね。一番不安だったのは、情報が入らない「一人での学び」。けれども、スクーリングや構想・中間発表会で知り合った方々との情報交換が大きな助けとなりました。SNSを通して、ちょっとしたことでも相談できたことが心強かったです。家族の協力もあり、「2年で修了する」という目標を実現できました。 アウトプット型課題の授業が児童の意欲を高めることを実証。 修士論文のテーマは、「小学校算数科における児童の主体的・対話的な学びを実現する効果的指導に関する研究」。アウトプット型の課題を設定することで、主体的な学びが生まれ、どの時間においても意欲的な学びができると考え、授業の実践・分析を行い、児童のふり返りを検討しました。授業ではまずその日の目標を示します。 目標は「説明できるようになる」というアウトプット型の課題です。自身で考える時間を30分以上取り、一人で考えるのか、グループワークを行うのかという学び方も子どもたちにゆだねます。議論をしたり、早く課題を解決したら他の子どものサポートをしたりする中で、いろいろな考えを受け入れる姿勢や対人関係力も得られます。何より時間を忘れて取り組む、心理学でいう「フローな状態」を経験することで、あらゆる課題に一生懸命に取り組むようになります。結果、「自分の考えを伝え、分かってもらえる」ことが、学ぶことが楽しいという要因であることが分かりました。そうした授業を展開することで、自己決定を促し、自己有用感を育み、次への意欲へとつながっていく主体的な学びとなるのです。このアウトプット型課題を活用した授業は、職場の小学校でも取り入れており、成果を上げています。 今後もアウトプット型課題を活用した授業を分析し、児童のふり返りアンケートと合わせて、質的・量的な研究を続けていきたいと考えています。リアルタイムで授業分析ができるシステムづくりにも力を入れています。大学院での学修・研究で得た知見が、教科の枠を超えて、現場の先生方や教師を目指す若い人たちの新たな指針となることを願っています。
「新しい学び」を実践するため大学院への進学を決意。
公立小学校の教諭として30年以上子どもたちの指導に携わり、学校研究主任や特別支援コーディネーター、教務主任など、学校づくりや学校運営に関する活動にも力を入れてきました。教員になった頃からの目標は、子どもたちが自主的・主体的に参加できる授業をすることです。学ぶことが楽しいと思える授業を提供したいと考え、日々研鑽を積んできました。
そうした中、新しい学習指導要領で「主体的・対話的で、深い学び」と提示され、正直「何をいまさら」と違和感を持ったのです。けれども、学習指導要領を深く調べてみると、今までの理論や実践だけでは子どもたちの力を育むことが難しく、新しい考え方と現場での実証が必要になると感じました。これまでの知識や実践の裏付けを得たいという思いもあり、大学院への進学を決意。通信制でありながら、多彩なアプローチで児童にかかわる問題を学修・研究できる聖徳大学大学院へ入学する道を選びました。
仲間や家族の支えのおかげで「2年で修了」の目標を実現。
「2年で修了する」と決め、入学後すぐに修了までの1日単位の予定表を作りました。地方在住なので、科目終了試験の会場まで2~3時間かかってしまうことも。効率よく仕事と学修・研究を両立するため、今何をしなければならないのかを常に見通すことを重視しました。
平日は勤務時間後の1~2時間や寝る前の時間が勉強時間。レポートは土日に集中して一気に書き上げるようにしていました。仕事の課題に直結した科目ばかりで、勉強は苦にはなりませんでしたね。一番不安だったのは、情報が入らない「一人での学び」。けれども、スクーリングや構想・中間発表会で知り合った方々との情報交換が大きな助けとなりました。SNSを通して、ちょっとしたことでも相談できたことが心強かったです。家族の協力もあり、「2年で修了する」という目標を実現できました。
アウトプット型課題の授業が児童の意欲を高めることを実証。
修士論文のテーマは、「小学校算数科における児童の主体的・対話的な学びを実現する効果的指導に関する研究」。アウトプット型の課題を設定することで、主体的な学びが生まれ、どの時間においても意欲的な学びができると考え、授業の実践・分析を行い、児童のふり返りを検討しました。授業ではまずその日の目標を示します。
目標は「説明できるようになる」というアウトプット型の課題です。自身で考える時間を30分以上取り、一人で考えるのか、グループワークを行うのかという学び方も子どもたちにゆだねます。議論をしたり、早く課題を解決したら他の子どものサポートをしたりする中で、いろいろな考えを受け入れる姿勢や対人関係力も得られます。何より時間を忘れて取り組む、心理学でいう「フローな状態」を経験することで、あらゆる課題に一生懸命に取り組むようになります。結果、「自分の考えを伝え、分かってもらえる」ことが、学ぶことが楽しいという要因であることが分かりました。そうした授業を展開することで、自己決定を促し、自己有用感を育み、次への意欲へとつながっていく主体的な学びとなるのです。このアウトプット型課題を活用した授業は、職場の小学校でも取り入れており、成果を上げています。
今後もアウトプット型課題を活用した授業を分析し、児童のふり返りアンケートと合わせて、質的・量的な研究を続けていきたいと考えています。リアルタイムで授業分析ができるシステムづくりにも力を入れています。大学院での学修・研究で得た知見が、教科の枠を超えて、現場の先生方や教師を目指す若い人たちの新たな指針となることを願っています。