Interview
インタビュー

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童文化学] 修了

小林 梨紗 さん

保育者を養成する短期大学でピアノを指導しています。ピアノの演奏技術だけではなく、保育者としての資質も含めた指導には、私自身が保育の専門的な知識や指導法を学ぶことが必要だと考えたことが、大学院進学のきっかけです。子育てや非常勤講師の仕事と、学びを両立させるため、通信制大学院へ進学する道を選択。聖徳を選んだ理由は、音楽などの文化学をはじめ、保育学や児童学、心理学など領域を超えて学べる環境です。指導してくださる先生方の質の高さも決め手になりました。
 研究テーマは「保育者養成校学生の意欲を高めるためのピアノ実技指導の研究」。指導の経験から、学生たちが「ピアノが苦手」と感じる要因は技術以外にもあると感じていました。その要因を探り、学生の学習意欲を高める要素となる「有能感」を向上させる指導法について研究しています。研究手法として取り入れているのが心理学。「ピアノ」という点数化しにくく、文章にも表しにくい分野では心理学の手法がとても有効です。そうしたことに気づけたことも、私にとって大きな収穫。学生のメンタル面の指導にも役立っています。
 今後は大学院での学び・研究を指導の現場で還元していきたいと考えています。専任教員となり、より深く学生たちと関わりながら、子どもの遊びや表現などを広い視野から音楽を中心に指導していきたいです。そして、ピアノ指導に対して悩みを抱えている指導者に向けて「指導法の指導」を行えるように研究を続けていきたいですね。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童発達学]修了

松雪 眞紀子 さん

佐賀で保育園の園長をしています。
 入学当初は日々の仕事に追われ、学習の要領がつかめないまま2年が経過。スクーリングにも出席せず、「もう辞めてしまおう」とさえ思っていました。そんな時に指導教員の先生からお電話をいただき、「辞めるか、続けて修士論文を書くか、どちらかにしなさい」と叱咤激励されて。それをきっかけに、本気で大学院の勉強に取り組もうと思い、スクーリングに出るようになりました。
 スクーリングに出席することで、学業だけでなく職場のことでも同じような悩みについて相談し合える友人ができました。毎月1回、佐賀から研究室に通っていましたが、そこで出会ったゼミ生の仲間とも励まし合って、4年間の在籍の末、2018年3月に無事修了できました。通信教育課程は日本全国に仲間ができる良い機会です。
 どこから手をつけたら良いか分からないという人は、まずは『履修と研究の手引』を何度も読んで、頭の中に定着させることが大切だと思います。論文も、得意な分野について何か書けばよいと甘く見ていましたが、研究論文とはそういうものではないことを知りました。これからは聖徳の大学院で学んだことを、園の子どもたちにしっかりと返していきたいなと思っています。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程[児童心理学]修了

清水 健吾 さん

会社員として働いていましたが、妻の家族がいる中国への移住を決意。日本語教師の資格を取り、現在は青島科技大学の講師として、学生に日本語や日本の文化を教えています。毎日、試行錯誤しながら指導する中で、基礎からしっかり教育学を学び、日本語を教えるよりよい方法を見つけたいと思い、大学院への進学を決めました。日本の児童学は中国でも評価が高く、通信教育なので海外にいながらでも多彩な専門科目を学べることが、聖徳を選んだ理由です。
 研究テーマは「中国で日本語を学ぶ大学生の学習意欲と経済環境の関係性」。現場で教えていると、中国では経済力がそのまま学力に比例しているように感じられる瞬間が多々あります。仮にそれが事実であるならば、経済力に関係ない平等な教授法を検討し、提供することが最終的な目標です。指導教員とは主にメールで連絡を取り合い、疑問点や修士論文についてのアドバイスをいただきました。また、スクーリングでは、長年教師をしている方など様々な地域から通っている学生の方々との出会いを経験。現場の生の声を聞けて、情報交換ができることも、自分にとって大きな刺激になりました。
 スクーリングの日程や修士論文の進め方など、事前にプランニングをすれば海外に住んでいても大学院で学ぶことは可能です。今後も研究を続け、新たな研究テーマが見つかれば博士後期課程へ進むことも視野に入れています。また、将来的には大学院で学んだことを活かし、中国で児童教育に関する起業をすることが夢ですね。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童発達学]修了

今村 三千代 さん

大学を卒業後、一般企業に勤めていましたが、結婚を機に主人が園長を務める幼稚園に入ることになりました。今考えても稀なケースだったと思いますが、ちょうど当時、あるお母さんが極度に憔悴されて、どう対応すべきか教職員全員で悩みながら対応したという事例がありました。最終的には何とか落ち着かれたのですが、果たしてそれが最善策だったかという点も含めて考えさせられ、これからこの仕事に携わるに当たって心構えが必要だと強く感じた出来事でした。そんな折、園に届いたカウンセリング講座の案内が目に留まり、試しに通ってみることにしたのです。それは、心理面を学ぶ教室だったのですが、お話は、なるほど!と思うものばかりで、実生活での悩みを解決する心理的なノウハウがたくさんありました。
 例えば、相手ではなく自分自身に視点を切り替えることで、勝手にイライラして無駄なエネルギーを使わずに済んだりと、私自身も救われるような内容でした。小さなことですが保護者方の支援につながりそうなヒントがいっぱいあり、もっと勉強したら周りにアドバイスしてゆけるかなと思いはじめたのです。そんな目からウロコのお話をしてくださったのが、講師にいらしていた聖徳大学の鈴木由美先生でした。そして「もっと勉強したかったら大学院へいらっしゃい」と誘われるがままに、大学院へ入学することにしたのです。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [保育学]修了

布施 仁 さん

大学時代は駅伝部に所属。在学中は主将と寮長を務め、東京箱根間往復大学駅伝競走では、優勝1回、準優勝を2回経験することができました。当時は、卒業後に競技をつづけることも検討していましたが、自分が主将を務めた年に優勝することができず、このままつづけるのではなく、選手以外の選択肢もあるかもしれない、と考えたのです。
 多くの選択肢がある中、保育士を志したのは、母親が保育士をしていたことに加え、部活生活を送る中で、ケニア人留学生とルームシェアをしたり、さまざまな人たちとふれあい、子どもの時の育つ環境が人生に及ぼす影響力に関心を持ったからです。大学卒業後は、専門学校に通い、保育士・幼稚園教諭の2つの資格免許を取得しました。
 その後長年保育士として現場を重視して働いてきましたが、ある時、卒業した専門学校から声がかかり、専任教員をすることになりました。子どもたちの現状を把握するには現場が一番だと考えていたので、専任教員になってからも、保育士として現場に立つことは継続しました。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [保育学]修了

直井 夕岐子 さん

流山市役所に入庁して保育所保育士として18年間勤務したのち、もっと新任保育士の質を高めたいという思いから、保育士を養成する専門学校の専任講師へキャリアチェンジしました。講師としては、保育所での現場経験を活かして授業をするつもりでいたのですが、そこで感じたのは保育士を養成することの難しさです。また、変化する保育の制度や法の知識についても未熟だと気づきました。そこで、講師として専門性を高めて広い知見を身につけようと、働きながら進学することを決意しました。
 聖徳大学短期大学部を卒業したこともあり、当初は通信制の大学への進学を考えていたのですが、出願資格を調べるうちに短大卒でも大学院進学を目指せる「入学資格審査」の存在を知りました。これは大学卒業資格がない人の入学を支援する制度で、社会人の学ぶ意欲に応えてくれるものでもあります。審査方法は書類審査と面接で、これまでの実務経験のか、研究会などでの発表実績も審査の対象になります。
 面接では、今までのキャリアや学ぶ目的に関する質問も多く、学ぶ意欲をしっかり評価してくれていると感じました。「入学資格審査」に認定されることで大学院出願資格を取得し、その後の入試も合格できたため、短大卒から大学院への進学が叶いました。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童発達学(現:児童心理学)]修了

山本 良彦 さん

医療系の短期大学部を卒業後、理学療法士として10年勤務。リハビリテーションセンターや障害児施設で経験を積んだ後、専門学校の教員となり、理学療法士の育成に携わってきました。その専門学校が4年制大学に移行することをきっかけに、進学を考えるようになったのです。専門学校では国家試験合格後に即戦力として仕事ができる理学療法士を養成することが大きな目的でした。しかし、大学では理学療法を学問として深く探究し、自ら考えながら実践できる人材を養成することに意味があると考えたのです。そのためには、私自身が学問を探究する方法や深い専門性を修得する必要があると考え、教員を続けながら進学することを決意しました。
 障害児施設で非常勤の理学療法士を兼任していたこともあり、「子ども」の研究ができる進学先を探していました。中でも聖徳は通信制で児童学が学べる数少ない大学院でした。さらに、パンフレットで短大卒からの大学院進学を目指せる「入学資格審査」の存在を知ったのです。これは大卒資格のない人の大学院入学を支援する制度で、学ぶ意欲のある社会人に広く門戸を開くもの。審査方法は書類審査と面接で、実務経験のほか、研究会での発表実績なども評価の対象となります。
 「入学資格審査」と言うと堅苦しいイメージがあり、かなり気負って面接に臨んだことを覚えています。当時は肢体不自由児の身体的機能について研究することを考えていたのですが、面接中に「聖徳では身体的なものが研究できないのでは……。自分は場違いなのでは?」という不安を感じた瞬間もありました。けれども、今までのキャリアや学ぶ目的、手がけたい研究について教授陣がじっくりと話を聞いてくださって。「あなたが研究したいことなら、何でも挑戦していい」という言葉をいただき、学ぶ意欲をきちんと評価してくれていると感じました。「入学資格審査」に認定されることで大学院出願資格を取得し、その後の入試も合格。短大卒から大学院への進学を実現することができました。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童教育学]修了

佐藤 千佳夫 さん

公立小学校の教諭として30年以上子どもたちの指導に携わり、学校研究主任や特別支援コーディネーター、教務主任など、学校づくりや学校運営に関する活動にも力を入れてきました。教員になった頃からの目標は、子どもたちが自主的・主体的に参加できる授業をすることです。学ぶことが楽しいと思える授業を提供したいと考え、日々研鑽を積んできました。
 そうした中、新しい学習指導要領で「主体的・対話的で、深い学び」と提示され、正直「何をいまさら」と違和感を持ったのです。けれども、学習指導要領を深く調べてみると、今までの理論や実践だけでは子どもたちの力を育むことが難しく、新しい考え方と現場での実証が必要になると感じました。これまでの知識や実践の裏付けを得たいという思いもあり、大学院への進学を決意。通信制でありながら、多彩なアプローチで児童にかかわる問題を学修・研究できる聖徳大学大学院へ入学する道を選びました。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [保育学]修了

多比良 由恵 さん

公立幼稚園の教諭として22年勤めた後、副園長の仕事を6年経験しました。副園長は「職員室の先生」とも呼ばれ、園の運営はもちろん、人材育成、地域など外部との折衝と、中間管理職として幅広い業務を担当します。教職員が休みの時にはクラスや預かり保育のサポートに入ることもありますし、「子どもが怪我をした」「遊具が壊れた」など園内で何かあれば副園長に相談ごとが集まってきます。そのため、業務が集中しがちで、特に新任の副園長はさまざまな「困り感」を感じています。けれども、新任教員や園長とは異なり、「困り感」を解決するための指南書などはほとんどなく、副園長自身が経験の中から対処法を獲得しているのが実状です。また、副園長のなり手が少ないことも課題となっています。
 この状況に危機感を覚え、解決の手立てを見つけるために、本気でこの問題に取り組もうと決意したのです。大学で教鞭を執っている元園長の先生方から「大学院で学ぶ道もある」とアドバイスされたことで、大学院へ進学する道を選択。「絶対に2年で修了する」という目標を胸に、聖徳大学大学院に入学しました。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士後期課程修了

平澤 真名子 さん

博士後期課程での研究テーマは「読解指導における傍線引きの効果に関する教育心理学的研究」。前期課程での語彙指導についての研究を土台に、実際に授業で活用できる研究テーマを設定しようと考えました。“傍線引き”を研究テーマに選んだのは、多くの現場で活用されているにもかかわらず、その指導法が正確に確立されていないという現状を知ったからです。研究を進める中でわかってきたのが、傍線引きで大切なのは、線の引き方、引く場所、というよりも、線を引くという行為にあたりどこが大切なのか注意しながら文章に向かうということ。ただ何となく文章を読むのと、傍線を引くためにペンをかまえて、注意深く文章に向かうのでは、文章の理解度に大きな差が出ることがわかりました。
このような研究は、実際の人の行動によるところが大きいのですが、その効果は客観的に実証されなければなりません。そのため休日は、ほとんど終日統計ソフトと向き合っていました。「先生、いつ博士号とれるの」と声をかけてくれる生徒も多く、そんな心づかいにいつも励まされていました。
また、この時担当していた生徒たちの成績が、実際に著しく上がったことは、“学びに貢献できる研究”にこだわっていた私にとって、大きな喜びとなりました。