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  2. 2022 5月

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [保育学]修了

布施 仁 さん

大学時代は駅伝部に所属。在学中は主将と寮長を務め、東京箱根間往復大学駅伝競走では、優勝1回、準優勝を2回経験することができました。当時は、卒業後に競技をつづけることも検討していましたが、自分が主将を務めた年に優勝することができず、このままつづけるのではなく、選手以外の選択肢もあるかもしれない、と考えたのです。
 多くの選択肢がある中、保育士を志したのは、母親が保育士をしていたことに加え、部活生活を送る中で、ケニア人留学生とルームシェアをしたり、さまざまな人たちとふれあい、子どもの時の育つ環境が人生に及ぼす影響力に関心を持ったからです。大学卒業後は、専門学校に通い、保育士・幼稚園教諭の2つの資格免許を取得しました。
 その後長年保育士として現場を重視して働いてきましたが、ある時、卒業した専門学校から声がかかり、専任教員をすることになりました。子どもたちの現状を把握するには現場が一番だと考えていたので、専任教員になってからも、保育士として現場に立つことは継続しました。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童発達学]修了

今村 三千代 さん

大学を卒業後、一般企業に勤めていましたが、結婚を機に主人が園長を務める幼稚園に入ることになりました。今考えても稀なケースだったと思いますが、ちょうど当時、あるお母さんが極度に憔悴されて、どう対応すべきか教職員全員で悩みながら対応したという事例がありました。最終的には何とか落ち着かれたのですが、果たしてそれが最善策だったかという点も含めて考えさせられ、これからこの仕事に携わるに当たって心構えが必要だと強く感じた出来事でした。そんな折、園に届いたカウンセリング講座の案内が目に留まり、試しに通ってみることにしたのです。それは、心理面を学ぶ教室だったのですが、お話は、なるほど!と思うものばかりで、実生活での悩みを解決する心理的なノウハウがたくさんありました。
 例えば、相手ではなく自分自身に視点を切り替えることで、勝手にイライラして無駄なエネルギーを使わずに済んだりと、私自身も救われるような内容でした。小さなことですが保護者方の支援につながりそうなヒントがいっぱいあり、もっと勉強したら周りにアドバイスしてゆけるかなと思いはじめたのです。そんな目からウロコのお話をしてくださったのが、講師にいらしていた聖徳大学の鈴木由美先生でした。そして「もっと勉強したかったら大学院へいらっしゃい」と誘われるがままに、大学院へ入学することにしたのです。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程[児童心理学]修了

清水 健吾 さん

会社員として働いていましたが、妻の家族がいる中国への移住を決意。日本語教師の資格を取り、現在は青島科技大学の講師として、学生に日本語や日本の文化を教えています。毎日、試行錯誤しながら指導する中で、基礎からしっかり教育学を学び、日本語を教えるよりよい方法を見つけたいと思い、大学院への進学を決めました。日本の児童学は中国でも評価が高く、通信教育なので海外にいながらでも多彩な専門科目を学べることが、聖徳を選んだ理由です。
 研究テーマは「中国で日本語を学ぶ大学生の学習意欲と経済環境の関係性」。現場で教えていると、中国では経済力がそのまま学力に比例しているように感じられる瞬間が多々あります。仮にそれが事実であるならば、経済力に関係ない平等な教授法を検討し、提供することが最終的な目標です。指導教員とは主にメールで連絡を取り合い、疑問点や修士論文についてのアドバイスをいただきました。また、スクーリングでは、長年教師をしている方など様々な地域から通っている学生の方々との出会いを経験。現場の生の声を聞けて、情報交換ができることも、自分にとって大きな刺激になりました。
 スクーリングの日程や修士論文の進め方など、事前にプランニングをすれば海外に住んでいても大学院で学ぶことは可能です。今後も研究を続け、新たな研究テーマが見つかれば博士後期課程へ進むことも視野に入れています。また、将来的には大学院で学んだことを活かし、中国で児童教育に関する起業をすることが夢ですね。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童発達学]修了

松雪 眞紀子 さん

佐賀で保育園の園長をしています。
 入学当初は日々の仕事に追われ、学習の要領がつかめないまま2年が経過。スクーリングにも出席せず、「もう辞めてしまおう」とさえ思っていました。そんな時に指導教員の先生からお電話をいただき、「辞めるか、続けて修士論文を書くか、どちらかにしなさい」と叱咤激励されて。それをきっかけに、本気で大学院の勉強に取り組もうと思い、スクーリングに出るようになりました。
 スクーリングに出席することで、学業だけでなく職場のことでも同じような悩みについて相談し合える友人ができました。毎月1回、佐賀から研究室に通っていましたが、そこで出会ったゼミ生の仲間とも励まし合って、4年間の在籍の末、2018年3月に無事修了できました。通信教育課程は日本全国に仲間ができる良い機会です。
 どこから手をつけたら良いか分からないという人は、まずは『履修と研究の手引』を何度も読んで、頭の中に定着させることが大切だと思います。論文も、得意な分野について何か書けばよいと甘く見ていましたが、研究論文とはそういうものではないことを知りました。これからは聖徳の大学院で学んだことを、園の子どもたちにしっかりと返していきたいなと思っています。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童文化学] 修了

小林 梨紗 さん

保育者を養成する短期大学でピアノを指導しています。ピアノの演奏技術だけではなく、保育者としての資質も含めた指導には、私自身が保育の専門的な知識や指導法を学ぶことが必要だと考えたことが、大学院進学のきっかけです。子育てや非常勤講師の仕事と、学びを両立させるため、通信制大学院へ進学する道を選択。聖徳を選んだ理由は、音楽などの文化学をはじめ、保育学や児童学、心理学など領域を超えて学べる環境です。指導してくださる先生方の質の高さも決め手になりました。
 研究テーマは「保育者養成校学生の意欲を高めるためのピアノ実技指導の研究」。指導の経験から、学生たちが「ピアノが苦手」と感じる要因は技術以外にもあると感じていました。その要因を探り、学生の学習意欲を高める要素となる「有能感」を向上させる指導法について研究しています。研究手法として取り入れているのが心理学。「ピアノ」という点数化しにくく、文章にも表しにくい分野では心理学の手法がとても有効です。そうしたことに気づけたことも、私にとって大きな収穫。学生のメンタル面の指導にも役立っています。
 今後は大学院での学び・研究を指導の現場で還元していきたいと考えています。専任教員となり、より深く学生たちと関わりながら、子どもの遊びや表現などを広い視野から音楽を中心に指導していきたいです。そして、ピアノ指導に対して悩みを抱えている指導者に向けて「指導法の指導」を行えるように研究を続けていきたいですね。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童教育学]修了

横山 みどり さん

大学を卒業してから24年間、公立小学校で家庭科の教員として勤務してきました。その後、国立大附属小で家庭科を教えていることから、短期間ではありますが、大学生を対象に授業をする機会を得ました。そこで、指導法を指導するという点での自分の力不足に気づき、もっと広い視野で小学校家庭科の指導を考えたいと思いました。以前、聖徳の通信教育で小学校の免許を取得した経験があり、その指導のきめ細かさから、聖徳大学大学院への進学を決めました。
 在学中は、家庭科担当として勤務する中で全国の先生方と楽しい授業について考える機会や、学校以外の場所で、家庭科指導に関わる仕事に恵まれました。忙しい毎日ではありましたが、大学院の勉強と、仕事を切り離すことなく、知識や経験を活かすことができたと思っています。
 聖徳の魅力は、なんといっても先生方が学生に真摯に向き合ってくれることです。それは、小学校の免許を取得した時から変わりません。またスクーリングでは、さまざまな年代、経歴を持つ人たちと一緒に学べるのでとても刺激を受けます。
 前期課程の論文は「小学校家庭科における児童の学ぶ意欲を高める指導に関する研究」をテーマに取り組みました。今後は後期課程へと進み、さらに学びを深めたいと考えています。そして学んだことを多くの先生方に発信していきたいです。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [保育学]修了

加藤 房江 さん

長年、保育の現場で勤務したのち、保育系の専門学校や短大の非常勤講師へ転職しました。それと同時に、もっと専門的な勉強をしたいという思いが強くなり、聖徳大学通信教育部の心理・福祉学部心理学科に入学。その後、大学院へ進み児童学を学ぶと共に、短期大学で専任教員として学生の指導にあたりました。
 大学院で学びたいと思ったのは、専門的な知識を理論的にわかりやすく学生へ伝える力が必要だと感じたからです。また、仕事柄、論文を書く機会が多いのですが、研究を論文にまとめる手法を専門の先生方から学ぶ機会を得たいと思いました。
 大学院へ進む前にいくつかの他校を検討しましたが、大学の時の経験をもとに、仕事と学業が両立できることや、先生方の質の高さ、学びやすさから聖徳大学を選びました。先生方はとても親身に指導してくださいますし、入学したことで自分が目標とする研究が明確になったと思います。聖徳大学の通信は、ウェブだけで学習が完結する学校とは異なり、スクーリングなどで先生や学生と直接コミュニケーションがとれるのが大きな魅力です。他の方の学習状況や仕事などについて情報交換することもでき、モチベーションも上がります。
 今後は、大学院で修得したことを、教員として授業や地域の活動に活かしていきたいです。また、論文指導の先生のご指導や「児童学研究法特論(I)」で学んだ統計データ解析の方法を活かして研究を進め、論文にまとめて発表したいと考えています。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程修了

緒方 紀子 さん

小学校の養護教諭のほか、保育園で看護師として働いていた経験があります。保育園では、看護師の役割や専門性が確立していないことを実感しました。この時の思いから、大学院の修士論文では、「子どもへの健康支援における看護師の役割について」を研究しました。東京都下の約2 0 0 の認可保育所で働く保育士と看護師に質問紙調査を行ったほか、面接調査も5 園ほど実施しました。保育園で実践されている看護を比較し検討することで、問題点や課題が明らかになったのは大きな成果です。修士取得後は、1年半弱ではありますが、病院での看護師としての経験を積むため大学病院の小児科に勤務しました。対象者は、乳幼児から青年期まで幅広く、病気療養中の子どもたちには活動制限があります。小学校や保育園の現場とは異なる看護に難しさを感じることがありましたが、貴重な経験ができ、自分自身の成長につながったと思います。大学院では、教育学や社会学、教育史などさまざまな分野から子どもを捉えてきました。この多様な視点が、病院の現場で活かせたと感じています。これからも研究を続けていき、近い将来、教員としてさらに学びを深めていきたいと決意を新たにしています。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程 [児童教育学]修了

小林 純 さん

大学時代、参加していたボランティア活動で学童保育に携わる機会がありました。そこでの活動を通して、学童保育の需要が年々増えていることや、社会の変化に応じて進化していることを実感し、学童保育指導員に職業としての魅力を感じて働きはじめました。現在は、都内の児童館で施設リーダーとして勤務しています。以前、「学童保育に携わる人間に何が必要なのか」というテーマで社内研修を行なったのですが、自ら講義をしたり、職員とディスカッションを重ねる中で、一般的な知識や自分の経験だけでは、人に教えることが難しいと痛感し、再び勉強するようになりました。しかし、自習に限界を感じ、大学院進学を決断しました。聖徳大学を選んだ理由は、仕事と学問の両立が図れることと、大学で専攻していた児童教育学が学べるからです。また、今の職場は、小学生以外にも乳幼児やその保護者も来館するので、他領域である保育学を学べることもポイントでした。今後、研究を通じて、学童保育指導員としての自分自身のスキルを高め、まわりの職員にも知識やアドバイスとして還元していくことができればと思っています。学童保育は日々変化し続けているので、修了後も研究を続けています。

卒業生・修了生メッセージ

児童学研究科 博士前期課程[児童心理学]修了

米川 純子 さん

短大を卒業し、宮城県塩釜市の公立保育士として10年以上働いてきました。経験も十分積み、今までとは違った視点から子どもの成長をみたいと思うようになり、異動の希望を出しました。現在は、子育て支援課で児童館、なかでも放課後児童クラブの運営を担当しています。年間300~400人の児童やその保護者と入館面接をしているのですが、児童の発達課題に対して保護者と支援者の持つ意識にギャップを感じることがあります。保護者と支援者をはじめとする行政内の連携がもっとスムーズにできればと考え、宮城県の個別教育支援計画である「すこやかファイル」を活用するための研究を進めています。「すこやかファイル」とは、保護者に限らず、教師や医師など1人の子どもの成長に携わる人々が、成長過程や診断内容などを記録できるツールです。個人情報開示の同意を得ることができれば、その子のファイルを関係者間で共有することができます。教育支援環境の向上のために、どういった活用方法が考えられるのか追究したいと思っています。将来的には、現場経験や大学院で学んだことを活かしながら、行政の立場から、地域の教育支援環境づくりに貢献していきたいです。